June Week 1 2017
★ "I Regret... "
"自分の選択=災難=後悔のダウンスパイラル"



秋山様
以前ご相談とその後の報告をさせて頂いたものです。 今回、また秋山様にご相談したい事がでてきましたので、 久しぶりにメールさせて頂きました。

私は2016年1月から現在の会社に転職しました。 今の会社に決めるまでに、実は1つの葛藤がありました。 派遣で働きながら転職活動をしている時に、 やりたい事が確実にできる契約社員の仕事が先に決まりました、 その後に、正社員で応募していた会社の面接があったのですが、 その時に、私が希望している職種ではスキルや経験が足りないけれど、 募集にはのせていないけれど、今ちょうど役員秘書を探していて、 それではどうかと言われ、特に興味はなかったのですが、 受かりたい一心で「やります」と答えました。
そして、正社員の仕事も受かったのですが、その時に、本当にやりたい事ができる契約社員の仕事か、 希望していない職種での正社員の仕事かで とても迷いました。 また秘書という仕事は、以前派遣で半年ほどしたことがあり、 やりがいを感じられず、合わないと思って、すぐに他の仕事に代えてもらった経緯もありました。
しかし希望職種でなくても、いつか異動できるだろうし、 面接時も、「ずっと秘書ではなく、何年かしたら他の仕事をしてもらうつもり」と言われたので、 まずは安定の正社員の仕事を取りました。

ですが入ってからは順調どころか、初日からここに入って失敗だったのではと思う事が次々とやってきました。
まず、私が入る前に秘書をしていた前任者がどういう理由で秘書交代になったのか知りませんが、 同じ部署で他の仕事をすることになった前任者と、40代半ばの女性Aさんから いじめ、嫌がらせを受け続けました。 派遣の人も巻き込んで、私を孤立させるように仕向けられたりしました。
前任者と仲間になって嫌がらせをしているAさんは、 もともと問題のある人物と認識されているようでしたが、 前任の秘書の人は、上の人に対しては媚びるような態度で接しているため、 上司に訴えても、「そういう事をする人とは思えない、 思い違いじゃないか」と言われるぐらいでした。 また、「証拠がない限り、何かアクションを起こすことはできない」とも言われました。 前任者とその仲間たちは、私にしかわからないようなやり方で嫌がらせをするので、 証明することはとても難しい状況でした。 また、秘書の仕事に対しては、やりがいを感じられないと思いながらも、 前向きにやってきましたが、やはり、指示されたことをするだけで、 仕事に対して深入りできない、自分で考えて何かをして成果を出す、という事が全くないという現状に、 悶々としたものを感じていました。

私がいる会社は、ある企業の子会社で 従業員は1000人弱ぐらいの規模の会社です。 私が付いている人は、専務取締役という肩書ですが、 実際は200人ほどのある1部門の部門長、という感じです。 なので、秘書といっても、大企業や外資系の重役秘書というよりも、 主な仕事はスケジュール調整(ほとんど社内)やお茶出し、決裁書類の取り回しなどで、 庶務業務となんら変わりはありません。
そのうちに体調も崩すようになり、でも仕事は休めないので 平日はなんとか会社に行き、土日は家でずっと寝ているという生活、 いじめや嫌がらせもエスカレートするようになったので、 産業医の先生に相談に行ったり、上司や、専務にも相談して 異動を訴えて、この4月から異動させてもらえることになりました。

専務に相談した時に、「短期間で人事異動となると、 何かよからぬことを言われたりするかもしれないから、 もう少し頑張ってみてはどうか」と言われましたが、 かと言って今の環境が何か変わるという事もなさそうでしたので 「何を言われてもいいので、異動したいです」と言いました。
しかし、やはり一部の人からは、「秘書を1年3カ月しかやっていないのに異動=飛ばされた」 と考える人がいるようで、専務が「私がダメなので、他の人に代えたいと思っていた」とか、 「もともと秘書として雇われて入ったのに、すぐに異動するとは、 何か(私自身に)問題があったのではないか」 などと言われたり、噂されたりしました。

後任の人は、他の部署で庶務をしていた女性で、 その人は自分が秘書になったというのが嬉しいらしく、 「〇〇さんから秘書にぴったりって言われました」とか、 私が引継ぎをしていても「そのやり方って面倒じゃないですか、 もっと効率いい方法でやった方がいいと思いますけど」 など、言われました。
私は、秘書の仕事は効率よりも正確性の方が重要だと思っているので、 正確に効率よく、が一番いいとは思いますが、 正確に行うためにあえて周りからみたら効率悪いなと思われるやり方になってしまったとしても、 仕方ないと思っています。 でもそういう事を言っても、自分のやり方に固執してると思われたくなかったので、 いくらでもやり方は変えてください、と言いました。
後任の人と引継ぎをしていて、 この人は、私がダメで交代になり、自分が抜擢されたと思っているだろうなという内容の発言が多々あり、 正直言って、自分が選ばれた人と勘違いして、調子に乗ってるな、と思い、 気分のいいものではありませんでした。(毒舌ですみません。)
また人事異動の内示前に「専務から秘書になることを聞いた」とその人が言っていて、 そもそも内示前に聞くことはありえないことなので、 例えそれをイレギュラーとしてされたとしても、 他人に言うべきではないと私は感じました。
価値観は人それぞれですし、秘書という仕事にやりがいを感じたり、 任命されたことに喜びを感じることに対してはいいかと思いますが、 私は秘書になる人はそういう事を言う人と対極の人がなるべきだと思っていたので、 自分の後任がこういう人だと思ったら、何とも言えない気持ちになりました。

私自身は、秘書という仕事から、実務担当になり、 やりたい事につながる足がかり的な仕事につけたことで、よかったと思っていました。 また、将来の目標としてはやりたい仕事をすることはもちろん、 今は一般職ですが、いずれ専門職(総合職)になりたいと思っています。 そのあたりのステップアップもしたいと思い、 秘書の仕事を長く続けるよりは、少しでも実務の仕事をして経験を積みたいと思っていました。 しかし一部の人たちは、秘書という仕事から別の仕事になったことは、 降格とか、左遷とか、そういう見方をする人がいることに、びっくりしました。

また、同じ時期に入った中途採用の女性がいたのですが、 最初はその子に職場や仕事の悩みを相談していたのですが、 私が自慢しているように思えたらしく、嫌味を言われるようになり、疎遠にもなりました。
私は、秘書という仕事が、いかにイメージが一人歩きしている仕事であるか実感しました。 私は、周りがどう思おうが、秘書という仕事に興味がもてず、やりたい事ではないことははっきりしているので、 何を言われても、と思っていたのですが、 いざ秘書の仕事から離れた途端、周りの反応がネガティブだったので、 だんだん自分自身が、本当に左遷とか降格されたのかな、と思うようになってきてしまいました。

また、嫌がらせをしていた前任の秘書とAさん、その取り巻きたちは、 私が異動して嬉しそうだったので、 自分から異動を申し出たとはいえ、 その人たちの思うつぼになったかと思うと、やりきれません。
また、秘書の仕事って、周りがおぜん立てしてくれることも多く、 今思えば、とても楽だったし、余計な事をしなくても済む仕事だったと思うようになりました。 また、人によっては、秘書だからということで、 良い態度で寄ってくる人もいて、そういう人は、 私が秘書から離れた途端に態度が激変する人もいて、 そういう事にもショックを受けています。

そういう環境の変化も含めて、まだ秘書の方がよかったかも、という思いが全くないとは言い切れません。 今は新しい部署での仕事もエントリーレベルの仕事で、アシスタント的な仕事しかしていないので、 これでは結局秘書の時と変わらない、むしろそれ以下になってしまったのではないかと思っています。
また、自分の将来やりたいことを考えて異動を申し出ていたのですが、 本当にやりたいことをさせてもらえるのか、 また、専門職へステップアップすることができるのか、 確定ではないので、このままアシスタントレベルの仕事を続けなければいけないこともあるかもしれないという不安もあります。

私がいじめや職場環境の悪さが原因で、早々と異動を訴えたことは 間違っていたのでしょうか。 また、この会社に入ってからというもの、仕事では色々なストレスや悩みが多く、 うまくいっていると感じたことが一度もなく、 正直言って、ものすごくさかのぼりますが、 契約社員の仕事を選んでおいた方がよかったのではないか、と思ったりしてしまいます。
もう過ぎてしまったことなので、しょうがないのですが、 秋山様のご意見を伺いたいと思い、メールさせて頂きました。 よろしくお願い致します。

- K -





Kさんから頂いたメールを拝読した私の率直な感想は、これはアドバイスを求めるご相談ではなく”愚痴”だとうことでした。 厳しい指摘で恐縮ですが、Kさんがメールに書いて下さったのはご相談を装った、 ご自身の不満とフラストレーション、後悔の羅列です。
私とて職場で頻繁にこんなことを「相談」と称して愚痴られたら、自分の1日が台無しになりますので、 Kさんを避けたり、同じような愚痴を何度も聞かされないようにするために、先手を打って皮肉めいた事を言うようになると思います。 ですから、Kさんが”相談”していたという中途採用の女性が 「私が自慢しているように思えたらしく、嫌味を言われるようになり、疎遠にもなりました」と書いていらしたのですが、 私はその女性は単にKさんの愚痴にウンザリしただけだと思います。

加えて私がKさんから頂いたメールをご相談と判断できないのは、これだけ長いメールを書いて下さったにも関わらず、何について アドバイスを求めていらっしゃるのかが一切記載されていないためです。 現状を改善されたいと思っていらっしゃるのか?、決断の過ちを繰り返したくないと思っていらっしゃるのか?、 それとも後悔する気持ちに整理をつけたいと思っていらっしゃるのか?、状況の説明はあっても肝心のご相談内容が 記載されていません。 その替わりに「もう過ぎてしまったことなので、しょうがないのですが秋山様のご意見を伺いたいと思い、メールさせて頂きました。」と 締めくくっていらっしゃいますが、Kさんは相談と愚痴の違いについて理解されているでしょうか?
問題解決や状況の改善という目的のために、原因や状況を説明して、 その打開策や、感情の整理、学ぶべき事についてフォーカスするのであれば相談と呼べますが、 過去に起こった不満や不平の羅列をしたあと 「もう過ぎてしまったことなので、しょうがない」というのであれば、 それはKさんが一方的に愚痴っただけの話で、ご本人に問題解決に取り組む意思が感じられないのですから 私がご相談に応じるような状況ではありません。

私がKさんのメールから受けたもう1つの印象は、Kさんの甘えです。
Kさんは秘書の仕事がご自分が望むものではないこと、遣り甲斐が感じられないことを 既に自らの経験を通じて承知しながらも秘書の仕事を選び、 移動についても 周囲が左遷だと思うであろうことを上司から警告されて 「何を言われてもいいので、異動したいです」とまで おっしゃったのですから、その後の状況は全て事前に予測されていたことで、 Kさん自身も決断の時点でリスクとして考慮していたはずのことです。
にも関わらず実際それが起こると、まるで降って沸いた災難かのように捉えて、周囲だけが悪いように 書いていらっしゃるのはKさんの甘えとしか受け取れません。 Kさんは立派な大人なのですから、もっと自分の決断に責任を持つべきです。 世の中には自分で選んだ訳ではない不運に遭遇しても、道を切り開こうと努力している人は沢山居るのです。

それ以外に私がKさんのメールで非常に気になったのが 「また、」 という接続詞が非常に多い事です。 「また、」というのは話題を替える接続詞ですが、特に同じ状況の説明を別の角度から積み上げる際に用いる言葉です。 「また」という接続詞の多さと その使い方から、Kさんが過去に起こったことを払拭したり、気持ちの整理をしないまま、 不平や不満をご自分の中に積み上げて、それを取り出して来てはストレスや後悔を増幅させてきた様子が見て取れました。 そうでなければ自分が望んで去るポジションの引継ぎという Kさんの現在や未来に全く関係が無いことについて、 こんなに長いご説明を私へのメールに書いていなかったと思います。
今のKさんの精神状態では、どの部署に行こうと、会社を替わろうと、何処で何をしようと、今と同じ状況になるのは確実です。

そもそも職場というのは、必ずしも良好な人間関係に恵まれて、周囲が諸手を上げて迎えてくれる訳ではないことは 誰もが予測と理解をしているはずのものです。 人間関係に問題が生じたり、虐め、嫌がらせが起こるかもしれないのは織り込み済みである筈なのです。 そしてそんな虐めから逃れるために 辞めたり、移動をリクエストすれば、虐めた側が良い気分に浸るというのも 当たり前のシナリオで、そうなるのが悔しいから、虐めに遭っても頑張る人は多いのです。
これだけ詳しく状況を説明してくださったKさんのメールの中には、そんな職場の人間関係について Kさんがどんな努力をしたかは記載されていませんでした。 現在の会社がKさんにとって望ましい状況でなかったことは仕方ないことですが、 Kさんはその状況を打開、改善するために何をしたのでしょう?
初日から嫌な思いをして、不安に駆られて、その日からやる気を失っていなかったでしょうか? そこで状況を好転させる努力をする以前に、「秘書になったのは間違いだった」、「契約社員でも好きな仕事を選ぶべきだった」と 常々ご自身の決断を遡って後悔をしていなかったでしょうか?

以前もこのコーナーに書いたことがありますが、大切なのは何をどう決断するかではなく、 一度決断したら その状況で頑張ること、努力することです。 未来は現在の積み重ねによって切り開くことが出来る一方で、過去は現在をどう生きるかでその意味合いを書き換えることが出来るのです。 たとえ自分が選んだ道で辛い思いをしても、それを打開しながら前進することによって、 一度は間違えたと思われる決断が将来のための大きなステップになり得るのです。 たとえ失策や失敗があっても、それを乗り切って行けば、後からその状況を振り返って、 「あの時にこれを学んだから今の自分がある」と胸を張れるようになるのです。
したがって結果というものは 決断や決心によってもたらされるのではなく、その後をどうするかで決まるのです。
逆に「あの時ああしていれば…」、「あの時こちらを選んでいたら…」、「あんなことしなければ良かった」と 悔い悩んだり、堂々巡りをする姿勢は 人間として腐っていくシナリオです。そんな状態では体調を崩しても不思議ではありませんし、 周囲が味方したくなるようなオーラも出せていないはずです。Kさんが活き活きとしたオーラ、人を魅了するオーラを出していたら、 Kさんの移動について左遷の噂など流れなかったと思いますし、それ以前に 秘書の仕事をしていた時点での 状況や人間関係が改善していたと思います。

今のKさんに必要なのは まずはしっかりと健康管理をして、身体に良い食生活をして、エクササイズで身体を動かして、夜はきちんと眠り、 部屋の中を掃除して、今のKさんの身体と心の中に くすぶっている毒素を払拭することです。 Kさんの文章を読み返すにつけ、現在のKさんの生活がヘルシーでオーガナイズされたものとは私には思えません。
Kさんが抱えているのはキャリアや職場だけの問題ではないのです。生活全般を改善して、 心身健全にならなければ、ポジティブで、快活な気持ちにはなれませんし、そうすること無しに Kさんを取り巻く全ての環境が好転することもありません。
Kさんが抱いている不平、不満、後悔は、それにフォーカスせずに 充実な生活を心掛けるだけで簡単に払拭出来るものばかりです。 そしてそれは心身が共に健全な人であれば、決して難しいことでは無いのです。

Yoko Akiyama




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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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