May Week 2, 2015
★ American Social Rules, Why Japanese Don't Get It?
アメリカ社会のルールを学ばない在米日本人?


10年以上、Yokoさんのキャッチ・オブ・ザ・ウィークを読み続けています。
キューブ・ニューヨークを読み始めた頃は留学生でしたが、日本で出会ったアメリカ人の夫と結婚して、 現在は、再びアメリカで暮らしています。 夫は、日本語がペラペラで 私より日本人っぽいところが多くて、夫婦共々日本人の友達が多いのですが、 時々日本人の友達が、アメリカに住んでいるのに、アメリカのマナーや常識などを心得ていないのが気になってしまいます。
それにどうやって対処したら良いかと思って、Yokoさんのアドバイスを頂きたいと思いました。

具体的に例を挙げると、例えばホーム・パーティーをして、パーティーのインヴィテーションに パーティーが7時半から10時と書いてあるのに、 10時を過ぎても なかなか帰らずに居座っているのは もっぱら日本人の友達です。 あと、ホーム・パーティーだったら アメリカ人はワインを持参で来るのが当たり前ですが、 日本人の友達は何も持たずに友達を連れてやってきて、散々飲み食いして帰る人が何人か居ます。

ベイビー・シャワーにしても、私の時も、私の友達の時も、当座直ぐに必要なものがギフトでもらえるようにと、 ちゃんとレジストリーをしておいて、ベイビー・シャワーのホストの友達が、「なるべくギフトはレジストリーから選ぶように お願いします」と 通達すると、アメリカ人の友達は必ずと言って良いほど、レジストリーのリストからギフトを選んでくれます。 でも日本人の友達は、3歳児になるまで着れない服や、洗濯が面倒くさそうな人形が縫い付けてある靴下とか、 使えそうにないものを、自分で可愛いと思うから持って来る人が多くて、 それだとベイビー・シャワーをして、わざわざレジスターをした手間が報われません。
一番驚いたのは、キャンドル・セットをギフトに持ってきた日本人の友達で、子供が生まれたら キャンドルなんて 危なくて使えません。 ここまで来ると、恐らくベイビー・シャワーに招待されたことが無かった人じゃないかと思いますが、 そういう人こそ、ベイビー・レジストリーからギフトを選ぶべきじゃないかと思うんです。

他にも、少し前に日本人の女友達を、夫の友達のアメリカ人男性に紹介したのですが、 彼女は英語は話せるのですが、とにかく男性と視線を合わせたがりません。 きれいで素敵な女性だし、頭も良いので、男性が気に入ってくれると思って紹介したのですが、 私と話している時よりもずっと目を合わせずに、男性の顔を時々見ては、自分の手元や周囲に目線を走らせて、 男性と真っ直ぐ向き合って話しません。
私は恥ずかしがっているのかと思って見ていましたが、男性側は自分に気が無いと判断してしまって、 最初は気を使って話してくれていたのですが、途中からはあまり会話が弾みませんでした。 でも後から日本人の女友達に聞いてみたら、彼女は彼のことを かなり気に入っていて、「ハンサムだし、背が高いし、紳士的だった」とべた褒めでした。 そのことを彼にフィードバックしたら、「エー、あんなつまらなそうな素振りをしていたのに、僕のこと気に入ったの?」と 仰天している有り様で、アメリカ人にしたらそれは無理も無いという感じです。
女友達からは絶対に彼に連絡をしないし、出来ないと思ったので、彼に 「時間があったら彼女に連絡してあげて欲しい」と頼んだのですが、 未だ連絡が無いところをみると、やはり素っ気無い第一印象で損をしたのだと思いました。

あと、夏になると日本人の友達の一部に 異常なほど美白を気にして 凄い帽子を被って、 日傘を差して、手袋をしてまで焼けないようにしている人が居るのですが、 アメリカ社会だと体裁が悪いというか、一緒に居て恥ずかしい時さえあります。
私はアメリカ生活が長いので、アジア人の生白い肌というのは、白人の白い肌に比べて どうしても不健康なイメージで、あまり魅力的に感じません。 そんな肌の色の好みは個人の問題ですが、周囲がサンドレスにサンダルで、ブランチをしている中で、 日焼けを気にして顔や肌を覆ったファッションをしているのは、アメリカ人の夫曰く 「ビーキーパー(窯業者)みたい」なのだそうで、 日本人の私から見ても滑稽です。

日本社会だったら、ベイビー・シャワーのレジストリーなんて無いですし、会話をしていてあまり視線を合わせなくても それがまかり通ると思います。ホームパーティーはお客が帰った時点で終わりでしょうし、美白のための日焼けを防ぐ努力も 珍しいことでは無いと思います。アメリカ人が日本でそういう様子を見た場合には、「日本ではそうするもの」と考えると思うんです。
でもアメリカ社会で、これらをそのまま実践するのは、本人にとってマイナスになるような気がして、 アドバイスしたり、注意したくなることがあるのですが、どう切り出したら良いか分かりません。

アメリカに長く住んでいらっしゃるYokoさんも、そんな日本人の方を見ることは多いのではないかと思うのですが、 こうした人たちにはどう対処するのが良いのでしょうか。 是非アドバイスをお願いします。

−C−





私も時々 Cさんがご指摘になっていたような状況を目にすることがあります。
特に ベイビー・シャワーのレジストリーについては、システムを理解していないという日本人も少なく無いように思います。 これは、日本に住む方々には馴染みが無いものかと思うので、この場でご説明しておくと、 アメリカでは、結婚や出産の際に、ブライダル・シャワー、ベイビー・シャワーといったパーティーが行われます。 これは主に、花嫁の親友、これから母親になる女性の親友がホストするパーティーで、 招待されたゲストは、結婚して新しい生活をスタートするカップル、生まれて来る子供のために新生児グッズを購入しなければならない母親のために、 必要な品物をギフトとして持参して、そんな持ち寄られたギフトをパーティーの席で 1つ1つ開けて、お披露目するのがメイン・イベントになっています。
したがって、誰が何を贈ったかが参加したゲスト全員に分かるようになっていますので、 仲が良いはずの友達が、安価なギフトしか贈らない場合などは、その友達がゲストからケチだと思われることもあるようです。

そのギフトに付き物なのがレジストリーというシステムで、これは 花嫁や出産を控えた女性が 特定のストアに予めギフトとして贈って欲しい品物を登録して、 その登録リストの中から ゲストに 予算に応じて品物を選んでもらうというもの。 選ばれた品物はどんどんリストから消えて行くので、ギフトがダブる心配はありません。
自分の予算以上のギフトしか残っていない場合は、友達同士で費用を折半する場合もありますし、 逆に自分の予算より低い値段のギフトしか残っていない場合は、複数の品物を組み合わせて予算の額に達するようにするのが通常です。 このようなブライダル・レジストリー、ベイビー・レジストリーは、ティファニー、バーグドルフ・グッドマンといった高級店から アマゾン・ドット・コムのようなオンライン・ストアでも行われていて、 アメリカ人がブライダル・シャワーやベイビー・シャワーに招待された場合、ギフトを見立てる時間の節約にもなるので、 レジストリーからギフトを贈るのは ほぼ常識的なことになっています。
ちなみに90年代後半くらいから、ブライダル・シャワーよりもバチェラレット・パーティーの方が主流になってきていて、 ブライダル・レジストリーは、ブライダル・シャワーよりもウェディングに招待された人々がギフトを贈るシステムとして利用されているのが実情です。

日本人の場合、こうしたシステムに慣れていないので、勝手が分からないまま、 本来だったら新生児用のグッズを贈らなければならないベイビー・シャワーで、Cさんのお知り合いのようにキャンドルを贈ってしまったり、 またレジストリーについてある程度理解している人でも、そこからギフトを贈った方が相手が有り難いと思うことを深く考えずに、 たまたま見つけたベビー服などをギフトに当てる傾向が少なくないようです。

でも、ベイビー・シャワーのギフトにしても、パーティーの終了時間を過ぎて居残ることについても、 それはアメリカに住む日本人の方達が、アメリカ社会のマナーやしきたりに逆らってそうしているのではなく、 単にあまりアメリカ社会と さほど関わっていないために、そうしたことを知らずに行っていることかと思います。
一度ルール、マナーを覚えたら、日本人は周囲が行動する通りに足並みを揃える国民性で、 逆に周囲と違うことをさせる事の方がずっと難しいのが実際のところです。 なのでCさんが感じていらっしゃることは、あまり深く考えずに、それとなく親切心で 教えてあげれば良いことだけのように思えます。
とは言っても、Cさんの周囲にいらっしゃる日本人が ある種の部落を形成していて、 アメリカ社会一般よりも、その日本人部落のルールやマナーに合わせて行動する傾向になっている場合は、 個々にアドバイスをしたところで、変えることが難しい場合があります。 そうしたケースでは、”部落の長”になっている日本人に アメリカ社会の一般ルールを理解してもらうことから始めなければならないかと思います。

次にホームパーティーに手ぶらで、友達を連れてやってきて、散々飲み食いするというのは、確かに失礼な行為ですが、 こうした人は人種を問わず存在しますので、これについては 国民性を持ち出してくるのはちょっと違うように思います。
むしろ国民性が強く感じられるのは、 Cさんがご紹介した男女間のアイコンタクトについてです。 欧米社会においては、仕事のセールスでも、恋愛感情でも、情熱を伝えようと思ったら、まずはアイコンタクトから始まりますし、 人の関心を捉える武器と見なされるのがアイコンタクトです。 でもアジア人は そんな欧米人に比べて、遥かに会話中のアイコンタクトが少ないことが指摘されています。
アメリカ人が会話時間の約60%で相手とアイコンタクトをするのに対して、日本人を初めとするアジア人は約40%と言われています。 さらに日本人は、欧米人よりも遥かに 初対面の人に対して緊張したり、遠慮したりする傾向にあるので、 アメリカ社会では 努めてオープンにフレンドリーに振舞わないと、様々なチャンスを逃してしまうケースがあるかと思います。

でもアメリカ人男性だったら、自分が一目見て気に入った女性には どんなに素っ気無くされても、何とか心を開いてもらおうと努力するものなので、 Cさんがご紹介したお2人の場合、女性が自分のことを気に入ったと聞いても、男性が彼女にコンタクトをしていないところを見ると、 最初から脈が無かったと考えた方が良いかもしれません。
それはそれで良いとして、もしその日本人女性が 同じ姿勢でジョブ・インタビューに臨んだ場合には、採用されることはありませんので、 ブラインド・デートの結果よりも、むしろそういった将来のオケージョンに備えて、 その女性に アメリカ社会におけるアイコンタクトの大切さや、相手を見て自分をアピールすることについて アドバイスするのは良いかと思います。

最後に美白のためのビーキーパー・ファッションですが、確かにファンシーなカフェで、周囲が日焼けした肌を露出して ファッショナブルに装っている中で、そのカフェにハチミツを卸していような出で立ちの女性と ブランチをするのは、気が引けてしまうかもしれませんし、その服装が滑稽に見えるかも知れません。
ですが、もしアメリカ人だったら 友達が自分の目的のために行っていることは、変なダイエットやエクササイズでも、不思議な服装でも、 意味不明なセラピーなどでも、よほどのことが無い限りは、余計なことは言わずに見守るのが通常です。 アメリカはFree Country、すなわち自由を謳歌できる国なのですから、美白のためのファッションは その女性が、自分の美白という目的のために実践しているものと判断して、何もアドバイスをしないのが適切だと思います。 美白が良いと思うか、日焼けした肌が健康的と思うかは、Cさんもメールに書いてくださったように個人の好みの問題ですので、 それぞれの好みを尊重する立場を取ることをお薦めします。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




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