Apr. Week 2 2017
★ "Making Decision is Hard to Do"
いつも私に決め事を押し付ける友達、決断と決定のストレスを防ぐには?



秋山曜子さま、
キューブさんのサイトをいつも拝見しています。 秋山さんのコラムや、ニューヨークの情報を読むのが好きで、何時か私もニューヨークに暮らしてみたいという夢を描いています。
今日思い切ってメールをお出しすることにしたのは、日常の小さなことが知らず知らずのうちに ストレスになっていることを感じたためで、このまま放置するよりも秋山さんにアドバイスをして頂いて、 ストレスを軽減したいと思ったためです。深刻な問題には聞こえないと思いますが、よろしくお願い致します。

私は別にリーダー格ではないのですが、食事に行くレストランを選ぶ係になったり、 食事に出掛けるとシェアするお料理を選ぶ係になったり、 4人で食事に出掛ける場合にあと1人誰を誘うかを私が決めるように言われたり、 物事を決める立場にさせられてしまいます。
職場でも、お茶の時間に買って来るお菓子を私が選ぶことになることになったり、 誰を選んでも大差ない手伝いのスタッフを私が決めることになったりします。 先日には皆に意見を聞いて回っていた友達が、意見が分かれてどっちにしたら良いか分からないからと言って、 私の決めた通りするから決めてほしいと言ってきました。

私が考えた挙句に意見を言うと、そのまま言う通りにする人も居ますし、 納得できない様子を見せるので、違うチョイスを代替案として選ぶとそれにノッて来る場合もあります。 どちらの場合も私が神経を使って疲れるのですが、一番嫌なのは私に決めてほしいと言っておきながら、 私が決めたことに文句を言う人で、「あっちの方が良かったね」などと言われると本当に頭に来ます。
自分で何も決められないから 私に決めさせたくせして、それに文句を言うなんて酷いと思うのですが、 そんなことを言ったら喧嘩になるので、我慢をしています。 ですが頼まれたから決めたことに文句を言われるのは、頭に来ますし、ストレスにもなります。

このことを以前友達に相談したのです、その友達には 「頼まれても私が決めなければ良いだけ」 と言われました。 でもそうすると、ずっと何も決まらないことが多くて、予定が立たないので、 早く決めてスッキリしたいという一心から 仕方なく私が決めてしまうことになります。
レストランを選んだり、友達のプレゼントを選んだりという作業は小一時間以上かかってしまうことも多く、 そういう手間は回り持ちにするべきだと思うのですが、どんなに周囲にやらせようとしても 結局は私がやることになってしまいます。
周りに自分で決めごとをさせるための何か良いアドバイスがいただけないでしょうか。 自分の人生の決断ならまだしも、他人の些細なことの決断で疲れるのはもうまっぴらなので、 何とかならないかと思っています。どうかよろしくお願いします。
今後の秋山さんとキューブさんの益々のご健勝をお祈りしています。

- H -





物事を決めるのがそれほど簡単なことでは無いのは、マーク・ザッカーバーグやアインシュタインが いつも同じ服装をして、着る物の決断にエネルギーを使わないようにしていたことからも分かる通りです。
人間というのは1日に1000近い小さな決断を下していると言われますが、それは「歯を磨いてから新聞を取りに行くか、 それとも先に新聞を取りに行くか?」、「傘を持って出掛けるか?」、「どの改札を通るか?」、 「向かいから歩いてくる人のために右によけるか、左によけるか?」など、無意識にしている決断から、 意識的に考えて下す決断まで、一日中の様々なことに決断や選択が絡みます。

通常の日常生活において、人間が頭を悩ませる決断というのは 大切なことよりもむしろ、 どちらでも構わない状況で決断をしなければならないケースが多かったりします。 それというのも好き嫌いや、都合の良し悪し、自分にとっての利害関係など 決断の理由や動機がある場合は、比較的簡単にその理由や動機によって決断が出来るのです。
逆に自分にとってどちらでも良い選択肢から物事を選ぶ場合は、 その決断がさほど重要でないと知りつつも、周囲の好みや決断のインパクト等を考えて、無意識のうちに 驚くほどの精神的なエネルギーを使うことになります。

世の中の誰もがそんな思いを経験しているだけに、人間はさほど重要ではないけれど 面倒な選択や決断を 人に委ねる傾向がありますし、「私はどちらでも大丈夫なので、好きな方に決めて!」といった決まり文句で、 決断を人に任せることを協調性だと思っている場合もあります。
また例えば食事をするレストラン選びを任されたと場合でも、自分がベストだと思うレストランに決めるよりも 候補を2〜3店舗挙げて、その中から食事をする相手に選ばせようとするのが常です。 でも選ばせようとした相手が「私はこの中の何処でも大丈夫」と、その決定権を押し戻してくることも多いので、 こうした譲り合い、押し付け合いで、人間はかなりの時間や労力を無駄にしているのが実情です。

私もHさん同様に 決断を頼まれる立場になる事が多い方ですが、Hさんがおっしゃる通り、誰かが決めないと ずっと決まらないという状況になりかねませんし、そのせいで不便が生じたり、人に迷惑が掛かることが多いので、 私は決断を委ねられた場合は決断してしまうタイプで、長年それを続けてきたせいか そのストレスは殆ど感じません。
そもそも人から決断を頼まれるというのは自分に備わったキャラクターなので、 自分を取り巻くメンバーが変わっても、その状況が変わることはありません。したがって自分はそういう運命なのだと思って 決断を引き受けて、その決断を簡単に出来るようにする方が、自分の周囲を変えようとするよりも 遥かに簡単でエネルギーを無駄にしないで済むのです。世の中というのは異なるキャラクターが存在しているから バランスが取れて 成り立っている訳ですので、自分が他人と異なる役割を演じるのは 世の中の仕組みと割り切ってしまった方が良い場合が多いのです。

かく言う私も 以前は決断を苦痛に感じることがありましたが、自分の会社をスタートして間もない頃に、 小さな事の決断で迷っていた私の様子を見たアメリカ人の知り合いに言われたのが、 「経営者になったら人前では迷わずにテキパキ決断を下さないと、優柔不断な経営者で、 ビジネスもそれに応じて傾いていると思われるよ」というアドバイス。以来「周囲はそういう目で見るのか…」と悟って、 人前では務めて迅速に、迷わず決断をするようになりました。

その決断は自分のメソッドを持ってしまうと、驚くほど簡単になります。 私の場合、人との出会いにおいて第一印象がそのまま その後の付き合い反映されることが多いので、 物事を選んだり、決断する際にも「直観的に良いと思った方」、「最初に目を惹いた方」というのが決断の決め手になります。 もし決め手が無い場合には「2番目に提示されたもの」と決めてしまって、選ぶという行為をあえて放棄してしまう場合もあります。

服や物などの 自分の持ち物を選ぶ際には、実用性で選ぶと かえって失敗が多いので、 好きな物、身につけて気分が高揚するものを選びます。
レストランの料理は、店に名物料理がある場合は必ずそれをオーダーしますが、それ以外は ウェイターに尋ねて お薦めをオーダーしますし、いくつかチョイスを提示してきた場合は、 どのアイテムの説明に一番思い入れや熱心さが感じられるかで判断します。 何を選ぶ際でも それを説明して薦める人から どのくらいの思い入れや熱心さが感じられるかというのは、 自分でそれらを比較&ジャッジするよりも、遥かに確実な決め手や指針になります。

それ以外のケースでは、占い師の母から伝授された暦の暗示に従って物事を決めるケースも多いですし、 そうしたメソッドが通用しないケースにおいては、デシジョン・メーカーというスマホのアプリを使用します。 すなわちアプリに決断を委ねる訳ですが、時にはアプリが選んだ答えが気に入らないことで、 本当は自分がどちらを欲していたかに気付くこともあります。 いずれの場合も 考えるだけでストレスになるようなことに簡単に決着がつくので非常に便利です。

そうやって決断を簡単に済ませるメソッドを確立すると、どんな時でもそれに従って物事を決めるだけですし、 その習慣が身に付くと 決断に伴う気遣いや責任感など、余計な心労やストレスを感じなくなります。 それは機械的にこなしているものに 思い入れを抱かないのと同様の状況ですが、 周囲が人に決めてもらうので構わないと思っているような決断の場合、その程度の気持ちで決めて構わないのです。 また考えても仕方ないようなケースでは、考えたからと言って良い決断が下せる訳ではありませんので、 時間とエネルギーを掛けずに決断する方がむしろ賢いと言えるのです。

Hさんのお友達の中には、Hさんに決めて欲しいと言っておきながら、その決断に不満を言う方がいらしたようですが、 1度でもそういう態度を取った人については、「以前私が選んで失敗したから…」と言って、2度とその人が関わる決断を しなければ良いだけです。 周囲のために物事の決断や選択を引き受けるというのは、周囲がやりたがらないこと、避けたいことを 引き受ける人助けのような行為ですので、やってくれている人が居る時には有り難味が分からなくても、 やってくれる人が居なくなれば 有り難味を感じることになるものです。

最後に周囲の方のための決断の場合も、Hさんご自身のための決断の場合でも、 大切なのはその決断からベストの状況を引き出すことです。 選んだレストランのお料理が今ひとつでも、楽しい時間を過ごすことは出来る訳ですし、 明らかに間違った選択をした場合でも、それが間違っていたからこそ学べた教訓によって 人生が大きく変わることもあるのです。 ですから大きな決断でも、小さな決断でも、大切なのはその後の対応や対処であって 決断そのものでは無いことも心に刻み付けて頂きたいと思います。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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