Mar. Week 3 2018
★ "I Don't Want to Have Sex"
"20代でセックスがしたくないのは異常でしょうか?"



秋山曜子さま、
友達から教わってこのサイトを知って以来のファンです。 特にこのコーナーは、既成概念や日本の島国的な考えに捉われない秋山さんの意見や見解が読めて、 それで勇気付けられること多くて、とても勉強になります。
このコーナーを遡って読むうちに、私も秋山さんに相談してみたくなりました。 よろしくお願いします。

私は20代半ばで、これまで何人かと付き合ったことがありますが、いつも別れる原因になってきたのがセックスです。 私は相手のことは好きでも、セックスをしたいという気持ちになることは殆どなくて、 相手がすごく好きなうちは 相手に合わせていますが、だんだんとやる気の無さが表面化するので、 それが原因で喧嘩になったことが何度もありますし、別れた事もあります。

私からすると、どうして相手がしょっちゅうセックスがしたいのかが分からなくて、別にしても構わない時は してきましたが、楽しい訳でも、気分が良くなる訳でもなく、相手が動物的に見えて嫌になってしまうことさえあります。 なので生理の時はセックスをしない言い訳があるので、デートの時に気楽で居られます。
友達の中にはオーガズムを感じたことが無いのを、コンプレックスにして、セックスの経験を自慢している友達に いろいろ教わっている人とかも居ますが、私はセックス自体をしたいと思わないので、 オーガズムなんて感じたいとも思いませんし、「このまま一生セックスをするな」と言われても全く困らないとさえ思います。

ですが結婚生活が倦怠期に入った30代とか40代でもない、20代の私がそんな風に思うのは異常のかな?とも思います。 男性との付き合いも「セックスをしたくない」と言ったら上手く行かないのも分かっています。 結婚したり、子供を産んだりっていうのは 人生の中でやった方が良いことのように言われていますが、 今の私には自分の将来として考えられません。
私は他の事ではあまり悩みや問題を抱えていないのですが、セックスについては周囲と違うので、 自分の居場所がないような気分を味わうことがしばしばあります。 アメリカは日本よりも性意識が進んでいる社会だと思いますが、そんなアメリカに長く住んでいる秋山さんからは 私のような存在はどんな風に見えるのでしょうか。 やっぱりちょっと異常なのでしょうか。
何かお考えか、アドバイスを頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。 これからもこのコーナーをとても楽しみにしています。

- M -



女性がセックスをしたがらないというのは、年齢に関わらず決して珍しいことではありません。 そのことはアメリカ女性の大半が アンケート調査で「セックスよりも睡眠を選ぶ」、「セックスよりもデザートを選ぶ」と 堂々と回答していることからも分かる通りです。
また それは男性用のヴァイアグラと 女性用ヴァイアグラの違いにも表れています。 男性用のヴァイアグラは肉体的なパフォーマンスに効果をもたらすものですが、 女性用のヴァイアグラは性欲を高める精神的な効用が謳われています。 すなわち男性がヴァイアグラを摂取するのは「セックスがしたいけれど 出来ない」からですが、 女性がヴァイアグラを摂取するのは「セックスがしたくないけれど、した方が結婚生活のため」など、 摂取の背景にあるのは セックスに対する非積極的な姿勢です。

女性と男性とではセックスに対する考え方や感じ方も異なります。 テストステロン・レベルが高い年齢の男性は4分に1度の割合でセックスについて考えると言われますが、 女性の場合、同じく性欲を左右するテストステロン・レベルがどんなに高い人でも そこまでの頻度でセックスについて考えるケースはまずありません。
また男性にとってのセックスは、自分のプライドや自信と深く関わっているだけでなく、 セックスをすることによる発散、達成、満足、優越感等、性欲以上の精神面が満たされる一方で、 セックスが支配力を含むパワーの表現や、怒り等のはけ口になるケースもありますので、 男性にとっての愛情の無いセックスは女性より遥かに簡単です。 もちろん性欲が旺盛で、愛情の無いセックスが出来る女性も居ますが、やはりその場合は男性ホルモンのレベルが高いと判断されることは 医学的にも立証されています。
ホルモン・レベルが標準値の女性にとってのセックスは、男性ほど精神的に深い意味合いがある訳ではありませんので、 新鮮味や情熱が薄れたところで、プライオリティではなくなりますし、価値を見出さなくなるケースは少なくありません。

Mさんが経験されたように、カップル間の性欲のレベルの違いは その関係に影響を及ぼすことは少なくありません。 女性がセックスをしたがらない理由として は、一般的に以下のようなものがあります。

  1. 成長期に身に付いたセックス観の影響(罪悪感や、淫らな行為、もしくは妻の義務というイメージ)
  2. ボディ・イメージ や 自分のセックス・パフォーマンスに自信が持てない
  3. セックスによって傷みや心地悪さを感じる
  4. 過去にレイプ、性病感染など、トラウマ的なセックス経験がある
  5. セックスの相手に性欲を感じない、セックスをしたいと思う相手が居ない
  6. 多忙で、セックスより優先した事が沢山ある
  7. ストレス で セックスをする気分になれない
  8. 子供を作る目的等で、セックスが義務化している
  9. メノポーズ、その他が原因のエストロジェン・レベルの低下
  10. メノポーズ、その他が原因のテストステロン・レベルの低下
  11. 何等かの病気やその薬の影響で、性欲が衰えている
  12. セックスに価値や目的を見出していない


このうち若い世代に増えているのが、一番最後の性的な興味・関心が無い人々で、 これらの人々を表現する” Asexual / エイセクシュアル” 言葉が存在するほどです。 したがってMさんの年齢で 性欲を感じないというのは珍しくありません。
もちろん、こうしたことをオープンに表現したり、肯定的にカテゴライズするのが一般的になったのは、 過去数年のことで、”Agender / エイジェンダー(男女の性別カテゴリーに属さない、捉われない人)”、 ”Gender-fluid / ジェンダーフルイド(時や状況によって、男性になったり、女性になったり、ニュートラルになるなど、自分を表現するジェンダーを替える人)” 等、 かつては その存在さえも知られていなかったような セクシュアリティが 認識されるのが今の時代です。
時代は変わっても、人間というのはそんなに簡単に変われるものではないのでエイセクシャル、エイジェンダー、ジェンダーフルイドといった人々は、 以前から存在していても、それが認識されず、またそれを主張してこなかった訳ですが、 そんなセクシュアリティが認識されるようになり、性的コンプレックスを抱く若い世代が 減ることは 私は大いに歓迎すべきことだと思います。 自分が他人と異なるのは、言わば当たり前のことですが、セクシュアリティでも、ルックスでも、 人間性でも、人と異なる部分をコンプレックスに感じることは人生に悪影響を与えますし、 将来の可能性を不必要に限ってしまうケースが多々あるのは容易に想像が出来るかと思います。

いずれにしても、Mさんのようなヘテロ・セクシャルで、単にセックスをしたくない というのは、全く珍しいケースではありませんし、 21世紀を迎えた現在の世界で、居場所が無いような思いをする必要も全くありません。 Mさんは結婚や子供を産むことまで心配されていましたが、セックスに関していえば、 結婚して子供を産んでいる人の方がシングルよりもずっとセックスの頻度が少ないので、 私の知人の既婚者女性の中には、「セックスがしたく無かったら、結婚するべき」とまで言う人さえ居ます。

男性側にしても、 必ずしも誰もが性欲がみなぎっている訳ではありません。 私の友人はかつて子供を作ろうとしていた時に、カレンダーで排卵日の1〜3日前に印をつけて、 努めて夫婦でセックスをしようと心掛けたそうですが、お互いに仕事が忙しく、友人が「疲れているから、明日にしても良い?」というと、 ご主人がホッとしたような顔をして「実は自分もクタクタなんだ」といって、仲良く眠ってしまうことが多かったと言っていました。 そのカップルは、無事に生まれた子供が既にティーンエイジャーになっているので、結局はそういう夫婦が長続きするということなのだと思います。
私がいつも思うのは、男性は愛人とのセックスの自慢話は 周囲が聞いていて呆れるレベルですることが珍しくありませんが、真剣に交際しているガールフレンドやワイフとのセックスについては語らないのが通常です。 これに対して、女性はそういった分け隔てが無く、時にあまり聞きたくないような 夫婦間の具体的なセックスについて語ってくれたりするので、 そんなことからも、女性の方がセックスというものに対する 思い入れが無いと言えるのかも知れません。

Yoko Akiyama

★ お知らせ ★ 3月29日木曜日に、日本語のインターネット・ラジオ、さくらラジオの米国東部時間午前11時からの番組「かわら版USA」に出演させて頂くことになりました。 お時間がある方はぜひチューンインして頂ければと思います。 以下のサイトにアクセスして、ページの左上のボタンをクリックするだけで視聴して頂けます。 http://www.sakuraradio.com/



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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