Jan. Week 1, 2017
★ "Workplace Bullying"
職場の嫌がらせ、上司も手を焼くお局さんのせいでストレスが貯まっています…



初めまして、Yoko様
Cube New Yorkのサイトをいつも楽しみに見させてもらっています。
特にこのコーナーは色々な相談とそれに対するYokoさんのアドバイスが 的確でとてもためになり参考にさせて頂いています。
私も仕事の人間関係の事で是非ご相談させて頂きたいと思い、 メールさせて頂きました。 ご回答頂けたらとても有難く嬉しいです。 宜しくお願い致します。

現在の会社に転職して1年半程たちました。 少人数で私を含めて10人程しかいません。
その中でお局のような方がいて、転職初日から嫌がらせを受けました。 その嫌がらせはとても子供っぽいもので、例えば無視をする、配布物(情報)を私にだけまわさない等 他の人と区別し孤立させるようなものです。
当初からこういった行動に悩まされてきましたが、相手はベテランの方で、 また他の方とも仲がよく誰にも相談できませんでした。 少し期間がたてばこういった事もなくなるかもしれないと思っていましたが、 嫌がらせは変わらず、その度に気分が落ち込んだり、腹が立ったり、ストレスを貯めこんでいました。

先日も嫌がらせをされ、ずっと腹が立っていた事もあり上司にすぐ相談しました。 すると上司は今までも彼女の嫌がらせで何人も辞めている事、職場の人はみんなこういった事を知っていると話されました。 それを聞いていて(その方は外部スタッフですが)、 問題があっても辞めさせられない何かの理由があるのだとわかりました。
ただその際の上司の言動は自分はこの問題に無関係で、 もう一人の上司が悪い、と言ったり 他の人の悪口を言いだしたり(もう1つグループがあります) 話していて気分が悪くなってしまいました。 今まではその方の問題だけだったのですが、 上司に相談した事により、上司に対しても信頼できず負の気持ちを持つようになりました。 (良くない事ですが嫌な気持ちがでてしまい、言動にもでてしまっています。)

人間関係の問題なら他の会社でもある事だと思いますが、 会社の経営状況がかなり悪く、今後もよくなる見込みがないという事もあり 転職したいと入社当初から活動はしていました。 ただ年齢的な事もあり中々転職活動が上手くいかない中、 職場にいる事も辛く、 今後どうしたらいいか迷っています。
今すぐ辞めてしまおう、と思うのですが、 やはり次の会社が決まっていないため生活の事を考えてしまいます。 会社で毎日長時間、嫌な気持ちをしながら過ごす事は辛く、 最近はずっと気が張っているため、家に帰ると精神的にどっと疲れがでてしまったり、 苛立ちやストレスから暴飲暴食してしまったり、家でも落ち着きません。

今までの職場は人数も多く、何かあっても他の部署の人と話す事で気が紛れたり、 異動があったりしましたが、ここではそれはできません。 辞めるまでの我慢で今の状況を続ければいいのか、 それとも考え方などを変えればいいのか毎日考えてしまいます。
是非Yokoさんのアドバイスを頂ければとても幸いです。 どうぞ宜しくお願い致します。
YokoさんとCube New Yorkの今後のご発展を心よりお祈りしております。

- A -





私もアメリカに来る前に、日本で一部上場企業の大企業と、ファッション・マーケティングの小規模なオフィス、そしてその中間サイズの会社に短期間 務めた経験がありますが、 私が人間関係でAさんに近い経験をしたのは大企業でした。
その大企業に私は新卒として入社して、同じ部署にやはりお局さんと呼ばれていた40歳過ぎの女性が居たのですが、 私は表立っていじめられたり、嫌がらせをされることは無かったものの、彼女に好かれていないのは自分でも分かっていましたし、 私もその人のことは好きではありませんでした。もちろん表面的には波風立てずにやっていましたが、 2歳ほど上の先輩からは、そのお局さんが私のことが嫌いな理由は 私が彼女に対して 他の人のように特別に気を遣ったりしないからだと言われました。 そう言われて、お局さんが陰で私の悪口を言っているのが手に取るように分かりましたし、それを私にフィードバックしてくれた先輩とて、 その場で一緒に私の悪口を言っていても不思議ではないと思いました。でもその会社自体に二重人格のような社風があって、 全然仲が良くない人でも、ちょっと話し込むと驚くようなゴシップを聞かせてくれることは珍しくありませんでした。
その企業には1年10カ月勤めましたが、今から振り返るとその間に 仕事面で学んだこと、すなわちワープロの打ち方から 効率を考えた事務作業、電話の受け方に始まる ビジネス・マナーなどは、大企業だったからこそきちんと学べたことが沢山あって、それらはその後の職場だけでなく、起業してからも非常に役に立ちました。 また人間関係についても、他の人のように媚びへつらうような態度が取れなかったお陰で、 どういう人に表裏があるか、どういう人と本当の友達になれるのか、どういう人が純粋で悪気が無いかといったことや、 一見大人しそうで実はブライドが高い人の野心や恐ろしさ等も学ぶ貴重な体験になりました。 また女性の強さと男性の弱さを最初に思い知らされたのもその職場でした。
私があえてここで自分の経験を書かせて頂いたのは、職場の雰囲気や、人間関係が企業のサイズによって決まるという訳ではないことをAさんに理解していただいて、 次の職探しの際にそのサイズが決断を誤らせる要因にならないようにと思ったこともあるのですが、 私が自分の人生を振り返ると、私が勤めた1つ1つの職場で それぞれ異なる貴重なレッスンを学んでいたこと、 そしてそれは後にならないと分からないことををAさんにお伝えしたいと思ったためです。

確かにAさんのメールを拝読した印象では 職場の人間関係、及びキャリアにおいて混迷したイメージを受けますが、 だからといって”嫌だから辞める” というのは間違っています。嫌だから辞める、辛いから辞めるということは、すなわち逃げるということです。 そんな「辛いことがあれば逃げる」というような姿勢で生きていたら、人生が辛い事だらけに感じられて、それから逃げてばかりいる 中身の無い、つまらない人生を送ることになって、 振り返っては後悔の連続になることは目に見えています。
ですから、まずAさんの頭の中から、”嫌だから辞める”というオプションを取り去って頂きたいと思います。

次に職場の人間関係についてですが、お局さんの話の前にまず上司へのクレームについて。 私は お局さんの嫌がらせの解決策を上司に期待すること自体に無理があると考えます。
私が以前勤めた企業のどの上司を思い浮かべても、Aさんのクレームについて対処してくれそうな人物が居たとは思えません。 そもそも そんなに細かいマネージメントが出来て、信頼に値する管理職が日本中に溢れていたとしたら、 年齢や転職回数に関係なく経験や実力、能力を重んじて女性を採用する社会になっていたと思います。
これがアメリカの企業で、Aさんが受けた嫌がらせが人種差別、宗教差別などに基づくものであれば、 HR(Human Resouce/人事課)や上司に訴えて、改善を求めるのは当然ですが、 個人的な嫌がらせの場合、よほど常軌を逸したものでない限りは、個人の人間関係の問題として自分で解決するのが当たり前と見なされます。 それをクレームすることは 自分の弱さを露呈するものだと解釈される一方で、 上司にしても自分の部下に対して、責任転嫁や他の人の悪口等、その弱さを見せるような言動をしないのもアメリカのビジネスの世界です。
したがってメールを拝見した私の印象ではクレームをしたAさんにも、それに対する上司の側にも、 弱さや甘えが感じられたのが正直な印象です。

どこまで酷い嫌がらせをされたかが分からないまま、このようなことを申し上げると大変失礼なのですが、 Aさんの上司へのクレームと その上司の対応は、学校の生徒が友達の意地悪を言いつけたけれど、先生がその友達の親から高額のお中元やお歳暮をもらっているから 厳しく注意が出来ないような状況に見受けられてしまいます。でも先生が仲良くするように言っても、子供達同士が仲良くなることなど無いのと同様で、 たとえ上司が介入したとしても、お局さんは嫌がらせの方法を変えるかもしれませんが、止めることは無かったことと思います。
相談したことで上司に対して 抱いた不信感については、”相談すれば、何とかなるかと思った自分が甘かった” と割り切って、 逆にそんな上司の人間的な弱さをサポートする姿勢に切り替えるてみるべきです。 たとえお局さんの件で 何もしてくれない上司でも、嫌がらせをしているのは上司では無いのですから、良好な関係を保つべきなのです。
Aさんが上司と不仲な態度を見せれば、お局さんが「ここまで来たら、あともうちょっとで辞めるだろう!」 といった期待感と達成感を抱いて、気分が良くなるだけなのです。

そのお局さんについてですが、世の中には人を虐めたり、他人の人生を惨めにして楽しむ人は決して少なくありませんし、周囲がそれを分かっていても 虐めの対象が自分でないことを幸いと思って、何もしてくれないことは多いのです。 お局さんが他の方とは仲良くやっているとメールに書いていらっしゃいましたが、 その方達とて お局さんのやっていることを決して正しいとは思っていませんし、Aさんを気の毒に思う気持ちは強いはずですが、その矛先が自分に向けられるのが怖かったり、 波風を立てるのを避けたいという気持ちから、見て見ぬふりが続いていたものと思います。
虐めや嫌がらせをする人は、そうすることによって自分を強いと思い込みたい、優越感を味わいたいと思う一方で、 パワーの誇示によって自分が攻撃の対象にならないように威嚇しようとする潜在的な意図を持っています。 でも人間的には非常に弱く、自分がしているような虐めや嫌がらせの対象になることを何より恐れているのです。
ですから自分より強いと思う相手や、自分を叩くことが出来る何らかの要素、例えばルックス、コネクション、 卓越した話術などを持つ人間は、決してそのターゲットにはなりません。 逆にどんなに芯が強くても、見た目に弱く見える人や、周囲が変わっていると思いこんで 仲良くしたり サポートすることを控えるような人がその恰好のターゲットとなります。 もちろん新しく入社したスタッフというのも、社内的な立場が弱い訳ですから ターゲットになりがちですが、 Aさんがお局さんのターゲットになってしまったのは、「虐めて楽しめそうなのが来た!」という印象を与えてしまったからです。

Aさんはメールに「少し期間がたてばこういった事もなくなるかもしれないと思っていましたが、 嫌がらせは変わらず、その度に気分が落ち込んだり、腹が立ったりストレスを貯めこんでいました」と書いていらしたのですが、 人見知りは時間が経てば無くなることはあって、嫌がらせや虐めは受けた側の我慢によって改善されることはありません。 逆に落ち込んだり、ストレスを貯めるAさんの姿がお局さんの恰好のエンターテイメントになってきたと考えるべきなのです。

この問題に限らず 人間関係の問題の解決策は、周囲の人間に働きかけて 周りからプレッシャーを掛けるか、問題の本人に直接掛け合うかのどちらかです。 お見受けしたところAさんの職場はサイズも小さいので、後者を上手く行うことで、周囲のAさんへの態度が変わり、それによってお局さんが 態度を改めざるを得ないというシナリオになると思います。
そのお局さんへの直接の掛け合いですが、抗議や口論などをしたところで時間と労力の無駄ですし、そんなことでは周囲が味方になってくれることはありません。 それよりも 次に職場の誰もが気づくような嫌がらせを受けた時に、 「こんな子供じみた嫌がらせの何がそんなに楽しいんでしょうか…」、 「人にした親切も嫌がらせも、やがては自分に倍になって戻ってくるから…」」 などと、感情を露わにせず、毅然と 独り言のように言ってみるだけで お局さんに一釘差すことが出来るのです。
最初にこうしたことを言い放つには度胸が要りますが、一度言ってみると、その後は気に入らないことをされる度に泣き寝入りのように黙ってしまうのではなく、 不当な行為に対する穏やかな抗議を、周囲に不愉快な思いをさせることなく、それをやった本人にだけ刺さるように言い放つ事ができるようになります。 そんなコメントを3回でも投げかければ、嫌がらせは通常収まるはずです。万一収まらない場合でも「嫌がらせに負けて何時辞めるか?」と思っていた周囲の Aさんを見る目が変わってくるはずです。そして周囲が変わればお局さんとて、その態度を改めざるを得なくなります。

こうした嫌がらせに屈しない自分をアピールする度胸を持つためには、まず暴飲暴食など止めて、身体と心の健康を考えた食生活に切り替えること、 睡眠を十分とって、運動をしたり、良い映画を観たりして、気分を晴らすと同時に、もっと自分を大切にしなければなりません。 暴飲暴食は自分に毒を盛る行為であって、そのことは後に味わう自己嫌悪でAさんとて 自覚していらっしゃることと思います。 そんな状態では、ネガティブな気持ちとストレスだけが高まって心身ともに不健康になりますので、新しい仕事を探そうと思っても見つかることはありません。
幸運を呼び込もうと思ったら、幸運が飛び込んで来たくなるような活き活きとした人間にならなければなりません。 今のようなネガティブで後ろ向きな気持ちでオフィスに通っていたら、Aさんの魅力は毎日のように目減りしていくだけで、Aさん自身もそんな自分がどんどん嫌いになっていきます。 まずは、内側と外側から ベストの自分を追及する体制を整えて、自分に勢いをつけて 今の逆境のハードルを乗り越えて下さい。

自分を本当に幸せにしたいと思ったら、逆境をチャレンジだと思ってそれに挑んで、乗り越えて、それによって自信と強さを身につけるべきなのです。 人間は誰にでも試練の時がありますが、それによって成長したり、新しい道を切り開ける人、自分を変えられる人が幸せになれるのです。 ですからAさんには、これからの人生のためにも 今の職場で「試練に勝った!」という経験をしていただきたいというのが私の気持ちです。
次の仕事が見つからなくても辞めたいと思っていた職場なのですから、Aさんが何をトライしようと 失うものなど無いはずです。

私はいつも このコーナーにメールを下さる方達は、苦しい状況を打開したいという願望を持った前向きで、芯が強い方達だと思ってメールを拝見しています。 ですから今の状況に立ち向かって、自分の中の強さを見い出せば、きっとAさんにも幸せが訪れると私は信じています。 そしてそうなった時には、今の自分を思い出して 「あの時のあの嫌がらせが無かったら、私は弱い人間のままで、今の幸せを掴むことなどできなかった」と この経験を自分にとっての貴重なターニング・ポイントと見なすことが出来るはずです。
2017年がAさんにとって、そんなきっかけとなる素晴らしい1年になることを心からお祈りしています。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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